音楽朗読劇「ヘブンズ・レコード~青空篇~」
音楽朗読劇「ヘブンズ・レコード~青空篇~」を見てきたよ!という話です。
なんかすごい長くなった。簡潔な文章書ける能力をください。
既に千秋楽を迎えていますので、ネタバレあります。
■事の発端
同僚に宝塚オタクの子がいまして、その子に「紫吹淳さんが朗読劇をやるから見に行こう!」とお誘いを受けました。
やっぱり趣味を周囲にアピールしておくと、良い出会いがあります。応援している俳優さんがいることはふせつつ、最近観劇が好きだと周囲に伝えているのです。
興味があったので二つ返事で了承した後で、「あれ?なんか見たことある題名だな…?」と思いつつ作品を調べ、キャストを見て「すげー見たことある顔ぶれやん」となりました。TwitterのTLでもよく見た。
いや、ほんとに関係ないように見えて、あなたの沼と私の沼は底では繋がっていることって往々にしてあるなと実感。代永翼さん、永塚拓馬さん、小林大紀さんがダックテイルズシリーズでディズニー声優になったときも、めっちゃそれ思ったんだよな(周りの声優オタクの子からの質問が殺到した)。
……話が逸れました。
ダブルキャストなので絶対に2回見に行きたかったのですが、今回の公演スケジュールだとどうしても予定が合わず無理で…。仕事…悲しい……。どこでもドアがあったら見れたのに…。
唯一予定の合った、荒牧さんタケル回の方を見ることになりました。
■朗読劇
実は朗読劇を見るのは初めてでした。私の知識不足かもしれないんですけど、朗読劇って東京中心じゃないですか? 昔、妹ちゃんがゆるーい声優のオタクをしていたのですが、朗読劇=東京&期間が短いというイメージがあります。
今回は、やはり神戸の地でやることに意味がある物語でしたね。素敵な機会に恵まれて良かったです。
当たり前なんですけど、朗読劇って皆さん座っているので前を向いてるんですね。相手の動きを見て返すという事ができないのは難しそう。椅子に座っていても台詞のエネルギーがダイレクトに伝わってきて、すごく興味深かったです。
荒牧さんは椅子に座っていても飛び上がりそうに元気で、すごくタケル!で印象的でした。座り直したりする仕草で感情が伝わってくる。上田さんもそんな感じ。
対してベテラン勢はどっしり構えて読まれていた気がします。渡辺さんはあまり動かず、ずっとキレイな姿勢で読まれていたのですが、途中で1度静かに目元の涙を拭っておられてとても印象的でした。奥深い。
■関西弁のはなし
しばしば関西弁の話題があがってましたね。Twitterとかパンフとか。
そうか、舞台は神戸だもんな…。神戸なら関西弁で当然だけれど、でもこれはすごく勇気のいることなのではないかなぁと思ったり。特に、神戸の地でこのテーマで演るのには。
終演後にパンフレットを読み、関西出身の方の方が少ないのでとても驚きました。皆さんとてもお上手で、違和感で気が散るという事もありませんでした。役者さんって耳が良いのかしら。2.5でもキャラとしゃべり方やイントネーション似せてるなーと思うことが多いです。
神戸にしては若干コテコテな感じかなぁという気がしなくもないですが、それは私が南の方の人間じゃないからだと思います。
そもそも、関西人が感じる関西弁への違和感って、単にイントネーションが難しいというだけではないと思うんです(す完全に持論ですみません)。
例えば「来ない」という言葉。
・けぇへん→大阪弁
・こぉへん→神戸の方。
・きぃひん→京都弁
・こやん→私の周りだと三重と神戸の友人が使うイメージ。
・こやへん→調べたら和歌山寄り?
・こん→岡山とからしい???回りの三重の子も使うけどな…。
一言に関西弁って言ってもこれだけ細分化できちゃう。下に行くほど自信ないです。有識者ではないので間違いがあったらごめんなさい。
だから、私は関西生まれ関西育ちですが、コテコテの関西弁だと却って違和感があったりします。
そういう意味では「THE・関西弁」って感じではあったけれど、個人的には全然おかしくはなかったです。役者さんってすごいなぁ!
■感想
で、感想です。
…なんだろう、正直このお話で感想を書くのすごく難しくて後回しにしてました(そしたら関係ない話が長くなるという)
・1話
「棺桶がない」という描写が生々しくて辛かったです。知識って、実際に直面する現実には遠く及ばない。
災害から「時間」が経ってからの、それぞれの受け入れ方、前への進み方の話だと感じました。家を元通りにしても、それで『はい!元通り!』には絶対にならない。それぞれの悲しみに胸がキュッとなりました。
・2話
序盤のはちゃめちゃな明るさは見てて気持ち良かった。同時に、お風呂に入るという当たり前の事さえ出来なくなる、後回しになる。そんな災害時の過酷な状況も感じました。被害の大きさに関係なく誰だって大変な思いをしたんだろうなと。
復興のための区画整理で廃業を余儀なくされるところが、なんともやるせない。
ラストの「無理せんでええよな?」は、単純に銭湯を続けるか否がだけでなく、愛する人を失っても悲しみに浸る間もなく頑張って来たことに対する言葉でもあったのかなぁ。もちろん、被災地の状況では悲しみに向き合う余裕もなかったのだろうけれど。
・3話
これからが幸せな若い夫婦のおはなし。
2人の境遇は似ているようで、でも全然違う。同じ災害を経験していても、やっぱり辛さは人それぞれだし、わかりあうことは難しい。簡単に「私もそうだから」とは言えないよなと感じました。
慰霊碑のシーンがじんときました。
あと、タケルが終始かわいかった。表情がクルクル変わって。
エピローグを聞きながら、「復興」ってなんなんだろうと考えたりもしました。
大阪北部地震も、関西の台風被害も報道はもうされません。でも電車に乗ると屋根にブルーシートをかけた家を見ます。1つや2つじゃなく、たくさん。北海道地震の影響で、瓦やガラス、波板が手に入らず修理ができないという話もよく聞きます。
外から見ていたら、本当の事はわからない。インフラや街を直す「復興」は絶対に必要なことだけれど、そこに住んでいる人たちの思いは置き去りになってしまうのだとしたら、どうしたら良いのだろう。そんなことをぼんやり考えました。
■神戸の街
実は今回めちゃくちゃ久しぶりに神戸駅に下り立ちました。大阪駅から新快速で30分。遠くはないのになかなか行く機会がなくて。三ノ宮とかはよく行くんですが。
ホールへ向かうまでの道やハーバーランドがすごく綺麗で驚きました。道幅も広く、道路にはおしゃれなビルが立ち並んでいました。
終演後、駅まで帰り道を歩きながら、でもここも一度更地になって建て直されたんだなと考えたりしました。
奇跡の復興を遂げたけれど、その裏にはこの地を去らざるを得ない人がきっといた。想いを馳せながら帰路につきました。
とても良い体験ができました。誘ってくれた友人には感謝です。
長いのにお読みいただき、ありがとうございました。
何かございましたら、お気軽にこちらまで。