夢と徒然

楽しかったことの記録とミッキーマウスとの思い出

舞台「憂国のモリアーティー」感想

 

 

実は観に行ってました、モリステ。 

いつの話だよって感じですが、折角書いたので公開しちゃう。長文の感想書くの久しぶりで、ちょっと恥ずかしいので、こっそり置いときます。

 

 

 

 

感想を書こうとすると、どーしてもミュージカル版(以下、モリミュ)の存在を避けては通れない部分がありまして…。もちろん全くの別作品なので、比較はナンセンスかもしれませんが、これだけ近い時期に両方見れるというのは贅沢なことだと思うので(刀剣乱舞みたいに完全別ストーリーにできるならともかくとして、普通に1つの原作だし)、随所で両方の話題が出ます。

 

優劣をつける目的ではないです、念のため。

個人的には、どちらも良さがあって好きです。

 

ちなみに私のスペックとしては、舞台化前から原作を読んでます。好き。

ミュも履修済み。原典のシャーロックホームズについては、多少読んだことがあるものの、一般常識レベルの知識しかありません。

 

 

 

●ストーリー

ストーリーとしては、冒頭のエピソードから、中盤を省いて、ジェームズボンド誕生までをバランスよく押さえた感じ。全員見せ場があったのではないかな。

ノアティック号編(って呼び方で良いのかな?)はミュと被るし、そこを飛ばすとホームズとワトソン関係のエピはノアの話と密接なのでやりにくいし、尺の問題で潔くカット…という印象。 

真ん中がスコンと抜けてる割には、概ねスッキリとまとまっていたし、見応えもあったと思います。密度が濃くて「え?まだ1幕終わったとこ?」ってなったよね。

ただ、ウィリアムとホームズが本気で一言も言葉を交わさないので、二人のライバルとだけでは表せない表裏一体感みたいなものはどうしても弱いというか、やや唐突感があるかなぁ。これはこの物語を「ウィリアムと彼に関わる人々がモリアーティー(もしくは犯罪卿)になっていく話」と捉えるのか、あるいは「シャーロック・ホームズの敵の話」と捉えるのかということだと思ってます。後者派の人は、ミュの方が合いそうな気がします。個人的には。

しかし、この構成で割りを食ったのがワトソンな気がするなぁ。もしこの物語が原作通りの時系列を辿ってるとしたら、ホームズとの出会いや、諸々の事件や、ケンカなんかも済ませた後なんですよね。だからか、登場した瞬間から"二人はマブダチ☆"って感じが面白かったです。仲良しかよ。

でもよくよく考えれば、ホームズとワトソンがバディであることって原作未読でも一般的な知識レベルですもんね。そういう意味では、過不足がないというか、スマートなんだよなぁ。その辺りのエピソードも見たかったけどなー、詰め込みすぎても崩壊するもんなー。

 

 

●演出について

「演劇を見た!」という満足感。

舞台装置すごい動く。すごいかっこいい。あまりにもサラッとしてるけど、すごく大変な事をしてるよね…。

最近自分の好みについてよく考えるのですが、舞台の"画的な強さ"に惹かれるみたいで、テンションがぶちあがる瞬間が何度もありました。オープニングめっちゃ良かったな~~。

 

あと問題の椅子なんですが…、椅子というワードだけは度々目にしていたので、気合い入れてじっくり見ようとしていたのですが、席の位置が悪く(前寄りだしサイド寄り)、浮いちゃうと視界に入りづらくて…。気づいたら浮いて、気づいたら降りてました。無念。

 

 

●ウィリアムについて

主役のウィリアムについて、ミュとステで違いがあって面白かったなと。正直これは演者さんの解釈の違いよりも、脚本上の解釈の違いと構成の都合だと思います。

原作を読み始めた当初、私はウィリアムに危なっかしさというか、不安定さみたいなものを感じてました。これは別にメンタルが弱いとかではなく…なんて言うのかな…、あの思想で上手くいかなかった時、ウィリアムはどうなるんだろうというような…。最終目的以外の事に執着がない感じというか。

初期はアルバートやルイスでさえ必要とあれば切り捨てそうなイメージがあったんですよね。原作が進むにつれその印象も変わってきましたが。

ステは、その個人的なイメージに近いというか、オープニングでウィリアム以外の人たちが倒れていく所で、そう!これ!!!!という興奮が凄かった。ステでは幼少期回想が分けて差し込まれていたので、余計にウィリアムのアンバランスさみたいなものを感じたのかも。ステの三兄弟、すごく仲が良さそうに見えるのに、同時に歪さを感じるというか。

無垢な子どもの顔をして殺しを説く、あの怖さ。普段は人当たりが良さそうな柔らかさがあるのも怖い。アルバートが両親殺しを依頼したのも、ウィリアムが仕組んだのでは?結局は彼が全てを動かしてるのでは?と深読みしてしまうような"わからなさ"のオーラがすごく好きでした。原作読んでウィリアムに夢見すぎかもしれません。

 

ちなみに、ミュのウィリアムさんは、自立した熱い男のイメージでした。三人でモリアーティーになると決意するシーン、サビの盛り上がる所で、歌いながら一筋涙を流したウィリアムの姿がどうしても今でも印象的で…。支配者然としていても、熱さや優しさがある感じ。

 

ステの方が平常時は人間らしい雰囲気な分、本当は怖いイメージ。ミュは根底に人間らしさがあるイメージ。個人的な感想です。

 

あと、これこそ本当に脚本の都合なんだけど、ミュのウィリアムは脚本上戦闘シーンがない(全て裏で掌握する、手を汚さない)のに対し、ステはめちゃくちゃ元気に戦うので、たくましいな~と、なんか微笑ましかったw。ウィリアムさんは原作でも頭脳担当なのに、めちゃくちゃ戦闘能力があるチートな所が結構好きなので嬉しかったです。荒牧さん、殺陣が相変わらずお美しくて眼福。

 

 

●ホームズとワトソン

めちゃくちゃ気持ちよい納まりだったな~。バディ感というか、安定感と危なげない感じが最高だったです。欲を言うならもっといろんな二人が見たかったな~。何度も同じ事言うけど~。

ウィリアムが闇だとすれば、ホームズは光になるわけだけれど、実際はホームズもまぁまぁ何をしでかすかわからないキャラですよね。正統派ヒーローではない(特に初期は)。

その中でもアイリーンとのエピソードはホームズの格好良さがギュッとつまってて好きな話です。

アイリーンさん、お美しかったな~~。原典では名探偵を出し抜いた唯一の女性。"the woman"。 明るくて、朗らかで、芯が強くて、でも儚くて。アイリーンはホームズと深く心を通わせるけど、でも結局はモリアーティー側になるのが、ウィリアムの計算高さや、掌握力みたいなものを象徴してるように感じました。

でもホームズも、ただ掌の上で踊らされる人物ではなくて、自ら道を切り開けるかっこよさがあると思います。北村さんのホームズ、本当に色気があって魅力的だった。

 

 

 

どちらかと言えば私は原作を「シャーロック・ホームズの敵のはなし」として捉えているので、ウィリアム⇔ホームズの対比に注目して見がちでしたが、登場人物全員が本当に素晴らしかったです。

ミュは新しい作品決まってますし、アニメも決まったし、相乗効果でも盛り上がっていってほしいな~。

 

 

以上!

久しぶりに感想書いたら、文章力の無さに絶望しましたが、やっぱり思ってること記録しとくの大事だね。

 

お読みいただきありがとうございました。

何かございましたらこちらまで。

まぁこにマシュマロを投げる | マシュマロ